挑戦の振り返り

本気度を企画書の中に詰め込んで

展示会というと、どうしてもデザインや展示物に目が向きがちですが、それらはすべて企画の上に成り立っているのだと思います誰に何を伝えたいのか。なぜそのサービスを提供したいのか。どんな価値を感じて帰ってほしいのか。これらが整理されて初めて、ブースデザインもノベルティも情報発信も一本の線でつながるのだと思います。

特に、出展そのものの難易度が高い展示会だったこともあり、「なぜ出展したいのか」「どんな展示をしたいのか」「自動車業界にどのような価値を提供できるのか」を整理し、クライアント様の本気度や想いを企画書に詰め込みました。前職の自動車部品メーカー時代に、人とくるまのテクノロジー展への出展企画を考えたことがあったものの実現には至りらなかったのは、本気度を詰め込んだ企画ではなかったからだと思います。だからこそ今回、自分自身が信じる企画の考え方や熱量を企画書に落とし込み、形にできたことはとても印象に残っています。これまで学び、実践してきた企画の立て方が大きな強みになったと感じています。

私は企画者として、一番やってはいけないことは「なぜそうしたのか」を説明できないことだと思っています。自分たちが説明できないものは、届けたい相手にも伝わらないと思うからです。

今回のプロジェクトでは、企画が地図のような役割を果たしてくれました。迷ったときも、判断に悩んだときも、企画に立ち返ることで進むべき方向を確認することができました。

制作物は単体ではなく、つながってこそ価値がある

今回制作したものは、壁面ファブリック、展示パネル、会社紹介カード、ノベルティ、Webサイト、プレスリリースなど多岐にわたります。しかし、それぞれを単体の制作物として考えたことはありませんでした。

会社紹介カードやノベルティからWebサイトへの訪問につながり、展示会での接点がそのままオンラインへとつながる導線を設計。また、メディア掲載を意識してWebサイトに展示車や開発背景の情報を整理したことで、嬉しい記事化にもつながり、サイト流入も生まれました。アナリティクス上でもセッション数の増加が確認でき、転載のたびに接点が広がっていきました。

さらに、クライアント様から既存顧客へプレスリリースをメール配信いただいたことで、展示会への直接的な来場にもつながりました。Webサイトの受け皿を整えたことで、会場に来られない既存顧客にも活動内容を届けることができ、今後の案件獲得につながる土台にもなっていたら嬉しく思います。

展示会当日は、特大ファブリックの前で足を止める方や写真を撮る方の姿も見られました。細かな商品説明ではなく、企業の姿勢や想いに共感していただく。そこから会話が生まれる。

結果として、それぞれの制作物が連動し、包括的な広報として機能していたら嬉しいです。そして何より、広報の基本である「双方向のコミュニケーション」につながっていたことが大きな成果だと感じています。

苦しむことも、楽しむことも大切な仕事

ゼロから何かをつくり上げることは簡単ではなく、何度も迷いました。月2回のオンラインMTGを重ねても、認識が違ったり、イメージ共有が甘かったり、意見がすれ違ったりしました。「本当に形になるのか?」「これでいい!と思える形になるのか?」と迷子になることもありました。それでも最後まで進むことができたのは、企画という地図があったこと、そしてクライアント様と一緒に「良い展示会にしたい」という想いを共有できていたからだと思います。

何より大切なことは、楽しむこと!ワクワクしながら考えた企画やデザイン、情報発信には不思議と熱が宿ります。その熱量は、展示会で出会う来場者やメディアの方々にも伝わっていくものだと信じています。

今回のプロジェクトは、クライアント様が本気で挑戦に向き合ってくださったからこそ実現できたものでした。私自身にとっても、とてもやりがいのある伴走支援となりました。そしてこれからも、誰かの挑戦に伴走しながら、「こうありたい」を一緒に叶えていきたいと思います。