展示会コミュニケーションを支えた制作物と設計

展示会で設計した「来場者との接点」

今回の展示会では、単にブースをつくるのではなく、「来場者とのコミュニケーションが自然に生まれる状態」をつくることを意識していました。

ブースコンセプトは「keep the passion alive」

クルマづくりの情熱を止めないように、保安基準適合×クルマづくりの支援を行っているという事業の姿勢を、どう伝えるか。そのために、展示物や情報発信を個別に考えるのではなく、すべてを連動させ、一貫した発信ができるよう設計していきました。

展示会場で伝えるための制作物(コミュニケーション設計)
■ 壁面ファブリックデザイン

クライアント様と相談と意見出しを重ね、来場者との共感や会話につながることを目的に制作しました。単なる装飾ではなく、「何をしている会社なのか」「何を大切にしているのか」「どんな困り事を解決できるのか」が一目で伝わることを重視しています。洗練さよりも、泥臭くても意図がしっかり伝わるブースデザインに振り切りました。

■ 展示車紹介パネル(A4)

今回の展示車はあくまで主役ではなく、事業を理解してもらうための一要素という位置づけでした。クライアント様のご意向もあり、パネルサイズを抑えることで、興味を持った方が情報を取りに行ける設計に。

■ 会社紹介カード(名刺サイズ)

ブース内での会話のきっかけとして「よろしければどうぞ」とお渡しし、会社や事業についての質問につながる場面を創出。名刺入れに入れて持ち帰れるようにし、後日会社情報を確認できる2次元コードを掲載。

■ ノベルティパッケージデザイン

単なる配布物ではなく、来場者との会話を生むきっかけに。展示会後にも記憶に残る「接点」として機能することを意図しています。想いとワクワクが伝わる、思い出に残るノベルティになりました。

■ 事業紹介A4資料

来場者の方々からのリクエストもあり、横浜会場での経験を踏まえ、名古屋開催前に急遽制作したものです。現場で必要性を感じたものをすぐ形にできるのは、内製で広報を伴走する強みでもあります。

■ オリジナルネックストラップ作成

ものづくりが大好きなクライアント様の発案で、オリジナルのネックストラップを作成。ストラップにはコンセプトの「keep the passion alive」をデザイン。さりげなく想いを伝えるアイテムになりました。

展示会前後の情報発信
■ 人とくるまのテクノロジー展オンラインページ制作

来場データを意識し、事前接点としてしっかり作り込みました。展示会前から「見に行きたい」と思ってもらうための導線設計です。オンラインページとブースデザインのトンマナを統一しています。

■ プレスリリース作成(横浜・名古屋)

事業に興味を持ってもらえる切り口で作成しました。展示内容の説明にとどまらず、「なぜこの取り組みを行うのか」「自動車業界の課題は何か」など、タイトルや見出しも、メディアが関心を持ちやすいフックを意識して言葉を紡ぎました。

■ SNS投稿用コンテンツ制作

展示会前後の接点として、継続的に情報に触れてもらうために運用しました。フォロワー数やインサイトといった指標よりも、一貫した広報ができているかを重視しています。今後の運用も視野に入れ、多くの画像や動画素材を撮影しました。

Webサイト上の受け皿づくり

展示会で興味を持った方がその先に進めるよう、Webサイト側も整備しました。Webサイトなどのオウンドメディア運用は外注だとハードルが高く、費用面でも負担が大きいというイメージがありますが、内製に近い伴走体制にすることで、フレキシブルな運用を実現しています。ページ制作も1日で行い、オンラインでリアルタイムに確認いただきながら修正を重ねました。特に展示車や開発背景を丁寧に伝える構成としたことで、発信側の意図が伝わり、メディア掲載にもつながりました。

広報効果と振り返り

それぞれの制作物は単体ではなく、役割を持って連動していました。

会社紹介カードやノベルティからWebサイトへの訪問につながり、展示会での接点がそのままオンラインへとつながる導線を設計しました。また、メディア掲載を意識してWebサイトに展示車や開発背景の情報を整理したことで嬉しい記事化に繋がり、サイト流入も生まれました。アナリティクス上でもセッション数の増加が確認でき、転載のたびに接点も広がっていきました。

さらに、クライアント様から既存顧客様へプレスリリースをメール配信いただき直接的な来場にもつながりました。Webサイトの受け皿を整えたことで、会場に来られない既存顧客様にも活動内容が届き、今後の案件獲得にもつながる基盤となっていたら嬉しいです。

また、特大ファブリックの前では自然と会話が生まれ、足を止めて写真を撮る方も多く見られました。細かなサービス説明に終始するのではなく、企業の姿勢や想いが伝わる場として機能していたと感じています。

結果として、それぞれの制作物が個別に存在するのではなく、ひとつの流れとして連動し、包括的な広報として機能したと感じています。そして、広報の基本である、双方向のコミュニケーションにつながっていたと感じます。

ここまでの形に仕上げることは簡単ではありませんでした。多くの情報共有や想いの整理、事業の見せ方の検討を重ね、案出しからイメージ作成、修正をクライアント様と一緒に何度も行いました。クライアント様に丁寧に向き合っていただいたからこそ実現できたと思います。